五葉松の剪定はとても時間がかかります。日本のお庭では自然樹形ではなく写真のような玉造りがほとんどです。枝が混み合ったまま玉をつくり続けてしまうと、風通しや陽当たりが悪くなり病害虫に侵されやすくなってしまいます。
五葉松でよく見受けられるのは、ハバチの幼虫による食害です。葉っぱや新芽を食べられてしまい、枝の間に幼虫のフンがびっしりついてしまいます。
こちらの五葉松はまだ綺麗な方ですが、古葉と一緒にとびっこほどの小さなつぶつぶがたくさん付いていることがほとんどです。それらがハバチのフンで、それらをすべて取り除きながら鋏で一つ一つ芽を摘んでいくわけですので、とても時間がかかります。
以上の過程をすべての玉に施していき、完了となります。こちらの五葉松は3.5m〜4mほどございまして、こちらの1本でほぼ丸一日かかります。手間はかかりますが、その分剪定前後の見映えも全く異なります。モコモコしていてとてもかわいらしく見えてきます♪
プラムの木は、どちらかというと一般のお庭では珍しい方かもしれません。枝の選定や残し方がわかりやすい写真でしたので掲載いたしました。
右側には太く強い枝が伸びています。左側にそのような立派な枝はないので、今後どうするか全体のバランスを考えながら剪定していきます。
徒長枝や胴吹きなどを全部取り除けば大丈夫!というわけではないのです。
幹元から左側に良さそうな枝が伸びてきておりましたので、何本か残してみました。これから数年かかりますが、向きの良い枝ができると嬉しいです。
こちらは果樹ですので、特に上部を強めに剪定しております。それでも枝の途中でボツっと切るのではなく、必ず脇芽のあるところで切り戻しております。そうすることで、強く剪定しても樹木全体が柔らかく見えます。
風通しと陽当たりがよくなりますので、病害虫による影響も改善されることと思います。
個人的には刈り込みと剪定は別物だと思っております。自然樹形ではないですし、枝が混み合って病害虫の影響も受けやすくなります。毎年、前年よりも必ず大きくなってしまうのもデメリットかと存じます。
ただ見た目はとても可愛らしいので、仕上がった姿は嫌いではありません。自然樹形を目指す植木屋の私としては、刈り込みというのはなかなか判断の難しい方法といえます…。
でもやはり可愛いことには変わりはないので、きっちり刈り込んでいきましょう。
こちらの写真は7月ですので、新芽がもう伸び切っております。
もこもこしていて、ぬいぐるみのようなかわいらしさがあります。
刈り込みでも、強く刈れば刈るほど樹木は反発してしまいます。玉全体に新芽を少しだけ残して刈り込むことで、樹木の反発を抑え徒長枝を少なくすることができます。
最近は温暖化の影響か暖冬も多くなった気がします。昔のようにシンシンと粉雪が降り続くというより、湿ったべた雪がドカっと降ることが増えてきました。冬囲いも以前より頑丈にしていかなければ、庭木が折れてしまいます。
こもれびガーデンの冬囲いは、鉢巻き(下縛り)から縄を節約せずにしっかり囲います。頑丈に囲いはしますが、枝が折れるほど絞りはいたしません。庭木をいたわりながら囲っていきます。
これで冬を安心して越えられそうです。それでも枝が折れることはありますが、被害を最小限に抑えることができます。低木、灌木が横に広がったり倒れたりすることも避けられますので、冬囲いをするとしないとでは夏場の見映えも全然違います。